『凍京NECRO SUICIDE MISSION』がサービス終了するので印象深いイベントを振り返る
凍京NECROがサ終する。リアルタイムで遊んでいたソシャゲのサービス終了に立ち会うのは人生で二度目だ*1。途中ログボだけもらっていた時期もあるが、凍京NECROはかれこれ2年近くプレイし続けていたので割とショックを受けている。とはいっても始めたころにお布施感覚で課金した程度で、ユーザーとしては渋い客であったであろうから文句は言えまい。
今は6月末に迎える終焉への後悔をなくすため、サ終に伴う大盤振る舞いを素直に享受しセレクトチケットで手に入れられなかった星5キャラや溜めていたストーリーを一気に走り抜けたところだ*2。あとは未プレイのイベントをストーリーキーで開放したり未見の回想シーンを消化したりする作業が残っているが、後日デジタルアーカイブ版が配信されるようで一安心。サービス終了後はネット上に一切の痕跡も残らないソシャゲも多いと聞くので……。
自分はニンジャスレイヤーとのコラボイベントで初めて知ったクチだったが、そのイベントの気合の入れように驚愕し、エキサイトした記憶はまだ新しい。よくもまあ、あんな癖の強い作品とコラボしたなあと思ったら、凍京NECROの方もだいぶ頭がおかしかったのでおあいこだったという。並行して遊んでいたメギド72も隣の芝に生えているグラブルやFGOもなんかヤベー話ばっかり流れてくるので「ソシャゲのイベントライターはみんなラリッてるのか?」とつくづく思ったものである。
ここでは、(個人的に)トンチキソシャゲ筆頭でもあった凍京NECROの過去の印象深いイベントを振り返っていこうと思う。
「ニンジャスレイヤーコラボレーション 凍京NEO-SAITAMA」
やはりこれを挙げないわけにはいくまい。コミカライズを除くとメディアミックス展開も何もない時に突然無から生えてきた*3恐ろしいコラボイベント。詳しい感想は以前noteで書いたので割愛するが、ライターが相当な重篤ニンジャヘッズであることに間違いはないシナリオの完成度で、フジキドと肩を並べるようにニトロプラスコンテンツが総力を挙げて巨悪ラオモト・カンと激しくバトルするクライマックスのサービス精神がすごい。
もう一度言うが、コミカライズを除くとメディアミックス展開も何もない時に突然無から生えてきたコラボイベントである。しかも物理書籍版のわらいなく=サンのデザイン準拠でCVはドラマCD・アニメイシヨンのキャストという、ニンジャスレイヤー側でもなかった組み合わせだったのだ。この手のコラボにあまり恵まれなかったニンジャスレイヤーだったが、ホーム画面にニンジャスレイヤー=サンやヤモトちゃんを常駐させられるソシャゲは凍京NECROだけ! しかもLive2Dでヌルヌル動くし喋る! それだけでオンリーワンの価値がある。あったのだ……。
「TSA ~Tokyo Super Alligator~」
凍京NECROにはワニ回がなんと3回もあり、VR世界で危険なワニ狩りゲームに興じるPart1、下水道で知性に目覚めたワニと接近遭遇するPart2、そして局所的な温暖化によって知性ワニが地上世界に進出するPart3がある。これはPart2だ。廃棄されたエナジードリンクがケミカル反応を起こし、優れた知性に目覚めたワニたちが望んだのは自分たちが静かに暮らすことのできる安寧の地であった……というB級映画感溢れる出だしから始まりながら、しっかりサイバーパンクをやるバランス感覚よ。
「臨在歓喜天 伽藍王」
煩悩を力に変え、凍京侵略を目論む巨悪を打ち砕け、伽藍王! から始まる、巨大ロボットとアホとエロでやりたい放題するR-18ギリギリを攻めた超問題作。端的に言ってヤバい。煩悩がエネルギー源なのでエネルギーチャージのためコックピット内はすごいことになってるしAVパロみたいな名前のチームがアッセンブルするし百合の間に男が挟まるが普通に3Pが始まったりする。よく全年齢版でこのシナリオ通ったな*4。煩悩が高まると手に持ったマニ車を回してしまう見た目清純中身むっつりなイベントヒロインが普通にヤバい。
「ベジタブれ! 発表、阿蛭生死者追跡事務所の健康診断! ~君はなぜ健康にならないのか?~」
怪奇、野菜人間回! 凍京NECROはサイバーパンクなのでサイバネティクスやサイボーグ人間、自我に目覚めたAIに動物キメラ人間もいるし、当然植物遺伝子を人体に組み込んだベジ・ヒューマンも存在する(何それ?)。健康診断からどうして野菜人間に接続されるの? バカなの? 凍京NECROにはマッドサイエンティストがたくさん出てくるが、アルチンボルドの「四季」をモデル(というかほぼそのまんま)にしたマッドサイエンティストはかなり頭のネジがぶっ飛んでると思うし、最終的にハートウォーミングな着地をするのもすごい。いやでもどうかしてるよこれ。
「蘇海白狼流外伝 熱闘!!シルカちゃん」
るろ剣とGガンダムでスターウォーズなサウナをやるという、だいぶ正気を疑ったイベント。なんかこの頃はサウナブームもあってソシャゲ界隈でもサウナ回が流行っていた気がするが、光と闇のサ道(サ道って何?)が激突し、人が死ぬとかどうとかいう話をやったのは凍京NECROだけだろう。というかタイトルの外伝って何? と思ったらキャラクタープロフィールに全部書いてあった。
「ワイズマンに花を」
知性ワニ回があるならもちろん知性サル回もある。というかパーティメンバーにはインテリに目覚めた知性ゴリラもいる(なんで?)。一見胡乱なエピソードのようだが、どれだけ人並みの知能を得ようが人間社会からは忌避され、内に眠る野生の本能を押し殺し、自らのアイデンティティの在処に苦しむ知性サルと、そんな彼女と恋に落ちてしまった知性ゴリラの悲哀が迫真的に描かれ、さらに殺人が絡むサスペンス展開まで織り交ざってシナリオの完成度がめちゃくちゃ高い。知性サル回なのに……。*5
他にも装甲悪鬼村正がどんな話か分からんままパンツと筋肉まみれで記憶汚染されたり、正月の餅が禁止されたり、悪の組織がバイトを資金源にしてたり、AV全裸監督とか秋元康(シュン・ゲンコウ)とかスレスレのネタもいっぱいあった。あと、排出率がかなり有情なので毎回のイベントでガチャを回せたりしてかなり楽しめたんだけど、戦闘面は全部オートで済ませてたし、結局ゴリッゴリに鍛えた武器を揃えて敵をブン殴るワンパターン戦法だったのでゲームとして面白いかどうかと言われると……うん、難しいよねソシャゲって。
ガチャ産キャラはメインストーリーでは出番がなかったのは残念な点。まあトンチキ設定をわりかし真面目にやってる本編に持ち込まれても困るが……。レベルキャップが解放できても星4以下は基本的に星5の劣化にしかならなかったし、キャラクターを持て余し気味で活躍の機会がなかったのも勿体なかったなあ。
デジタルアーカイブ版を出してもらえるのは非常にありがたい……ありがたいが、問題はコラボキャラが収録されるのかどうか。ニンジャ組だけでもどうにか……ボイスは無理でも立ち絵モーションだけでも残してくれないものかと願いつつ、これまで存分に楽しませてくれた凍京NECROに感謝しながら筆を置こうと思う。
(終わりです)
*1:一度目はスクエニの「拡散性ミリオンアーサー」だった。アプリの方は終わっちゃったけど映像作品の「実在性ミリオンアーサー」は面白いよ。本当だよ。
*2:ストーリーの最後に「このゲームに出てくる女性キャラは全員成人済です!!!」ってクソデカい声で叫んで終わったので良かった。
*3:そもそも「ニンジャスレイヤー」はコラボ時点で既に代替わりしており、凍京NECROに登場したニンジャスレイヤー(フジキド・ケンジ)は現在サツバツナイトを名乗っている。
*4:「流石にえっちすぎるのでは?」と訝しんで調べたらマジでR-18版があることを知ったのもこの頃だった。凍京NECROはえっちなゲームです。
*5:知性ゴリラも知性ゴリラで別のイベントでドMに目覚めたり食材にされかかったりして出番的にかなりおいしいポジションにあった。知性ゴリラなのに……。