一匹の鯨に七浦賑わう

エンターテインメント殴り語り

最近読んだオススメラブコメ漫画を挙げる

 私ラブコメ漫画って学生時代は全然読んでなくて社会人になってから手を出したジャンルなんですよね。なので「こういう恋愛がしたい!(あるいはしたかった……)」という感想よりも「人は恋をすると挙動がおかしくなって頭がバグってくるんだ……なるほど……」みたいな楽しみ方をしているわけですが他にもこんな読み方をしているような人がいそうなのでこんな記事を書きました。

 

僕の心のヤバイやつ

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 言わずとしれた陰キャ男子・陽キャ女子のスクールカーストブコメの金字塔。アニメ化も発表され、市川京太郎のCVがどうなるのか今から戦々恐々している……だって声変わり前/後の演じ分けができる声優さんを呼んでこなけりゃいけないんですよ? やれんのか市川京太郎……やれんのか??? 僕ヤバについては過去にいくつも駄文を書き連ねているので詳しくは割愛します。

azi-tarou.hatenablog.com

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 さて、現在の僕ヤバは新学期編がスタートして新しいクラスメイトが続々と登場してきたけど当の本人たちはヒロインの両親了承済(ヒロインの両親了承済!?)の両片思いという「付き合ってないけど恋人がやることはセッ……以外はおおよそ経験済み」という状況です。ずっと前からこんな感じじゃねえか!?どうなってんだ? とにかくどう見ても普通の関係じゃないのでイツメンからもシンメンからも「いつ付き合うの?」という無言の見守りが発生しており「フラッシュモブサプライズ告白を(やらせる)」を企画しようとする地獄のようなパリピ女が出てきてヤバい。良かれと思って乗り気なのが余計にヤバい。という感じで二人の世界から家族や学校、仕事という場所で二人は上手くやっていけるのかという段階に入っているんですね。

これが僕ヤバの””現在地点””だ(なんで当人よりも先にに親御さんに告白してるの???)

 序盤の「市川の陰キャ故の屈折した感情」「山田の言動からカモフラージュされた気持ちを謎解くミステリー」のような要素は徐々に鳴りを潜めていって、「新しいクラスという環境で、お互いがお互いの気持ちや距離感に折り合いをつけつつ、未来へ向かって歩んでいく」というのが今の僕ヤバなんですが、ぶっちゃけ並の大人より難しい恋愛をやっとる。なにせ告白してオッケーだったらハッピーエンド、みたいな話の纏め方じゃなくて、市川は山田と肩を並べられるようにとグングン人間的成長を遂げ、山田はモデルや役者など自分がやりたい仕事を見据え……これはもう人生……二人の人生譚ですよ。

 そんな徐々にグラデーションが変わるような二人の関係、そして物語のドキドキの展開が僕ヤバの現在地点なのです。読みましょう。

 

隣のお姉さんが好き

mangacross.jp

 僕ヤバと並ぶ中学生ラブコメの巨塔「好きな子が眼鏡を忘れた」の作者が送る、陽キャ男子中学生のたーくんと、映画好きなお隣に住む女子高生お姉さんのラブコメ。めちゃめちゃ面白いです。

 このヒロインの女子高生お姉さん……心愛さんなんですが、初めはミステリアスなお姉さんな感じで話が進むんですけれど、徐々にそのミステリアスな仮面が剥がれていき、実はマイナー映画好きで人付き合い下手、捻くれ者かつ自己卑下的、口を開けば「お前それたーくん相手だから許される発言やからな……いい加減にしとけよコイツ……」な後ろ向き系女子であることが明らかになっていく。そしてどんな致命的発言やムーヴを完璧にすくい取る自己肯定感200%のハイパー男子たーくんの鮮やかなフォローがすごい。若さ故のデリカシーの無さを即座に理解・反省し真摯に謝罪する将来有望無敵のハイスペ中学生男子!

リアタイ勢全員の喉がヒュ…となった瞬間 たーくんを信じて読み進めてください

 毎話挿入されるイベントスチル絵みたいな1ページまるまる使った心愛さんの大ゴマも見どころ。たーくん目線から見ると「マジでこの女外面はいいんだよな……」となります。とにかく読みましょう。

 

少年の好意を煙に巻いて躱そうとしたら理詰めでボコボコにされているミステリアスなお姉さんの図

 

ぷにるはかわいいスライム

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 ホビー大好きキッズ御用達のコロコロコミックから放たれた新たな刺客!それが人外スライム少女をヒロインに据えた「ぷにるはかわいいスライム」です。「エッあのコロコロがラブコメ漫画を!?」はい、そうです。1話が「これは二人が友達じゃなくなるまでのお話……」というナレーションで締めくくられているヤバさを知ってもらいたい。

開幕から”癖”がすごい 降参です 許してください

 そしてこの漫画のめちゃめちゃ重要なポイントは「ぷにるは自分のことをホビー(おもちゃ)だと自覚している」点です。ぷにるはコタローに可愛いと言ってもらうためにあの手この手を試すけれども、それは子供の頃のように一緒に遊びたいから(まさに彼女は人間に遊ばれてこそのホビーだと考えているから)であり、対するコタローはぷにるが女の子の姿をしているから逆に異性として意識してしまう……という、ラブコメであると同時に「自我が芽生えたおもちゃは人間と対等な立場に成り得るのか?」というサイバーパンクじみた疑問を投げかけてくるのです。是非読みましょう。

 

オオカミくんは早川さんに勝てない

kuragebunch.com

 尾上くんは最近新しい学校に転入してきた中学生。だけど声は小さいし運動は得意じゃないし何の取り柄もないただの陰キャ……というのは世を忍ぶ仮の姿。実は彼の家系には狼男の血が流れているのだ……!

このモチモチのフワフワの犬っころがよ……

 いやどう見ても柴犬やんけ!! という導入から始まるのだが、普段彼を馬鹿にしている早川さんが尾上くんの柴犬姿を見てキュンとしてしまってさあ大変、愛憎入り乱れる壮絶なラブコメが幕を切って落とされた!

 とにかく作者が描くキャラがモチモチのコロコロで大変愛らしく、動物愛と異性愛がこんがらがって頭がバグってる早川さんはめちゃくちゃ可愛いし、二人の関係の進展と尾上くんの正体がバレるかバレないかという絶妙なバランス感覚で進行するストーリーも素晴らしい。全2巻で完結するお手軽さもグッド。読みましょう。

こ、これだよ!動物愛と異性愛がこんがらがって頭がバグる瞬間!!うわー最高!!!



おぼこい魔女はまじわりたい!

bookwalker.jp

 不登校のクラスメイトは実は魔女見習いで、一人前の魔女になるためにたまたま学校のプリントを届けに来た主人公の男の子ににセッ……を持ちかけてくるというまるでエ○漫画みたいな導入だけど思ったより真面目な漫画です。本当です信じて。

 主人公クン(かわいい)の貞操概念がめちゃくちゃしっかりしてるのでさすがに本番まではいかないけど、それはそれとしてなし崩しに付き合い始めて頻繁にキスするし普通に裸を見せつけられたりしてる(魔女は裸がユニフォームらしい。なにそれ?)というアレ。しかし官能描写よりも悩めるティーンエイジャーの恋愛・性事情のほうが前に出ている……と思う……!

貞操概念がめちゃくちゃしっかりしている……!(中学生がセッ……は普通にダメだろ!)

 メインの話はこの魔女見習いの女の子が徐々に学校に慣れて、少しずつ人並みの生活に馴染んでいく……という流れなんだけど、せっかくの世間から隔絶されていた貴重な魔女っ子が世俗にまみれていく(言い方ァ!)姿に一抹の寂しさを覚えてしまう。が、ちゃんとセッ……の話も継続しており、無謀にも男子中学生集団でコンビニでコンド…厶を買ったりするのでマジで大丈夫? 君ら中学生だよね??? 結末を見届けるまで読みましょう。

 

正反対な君と僕

shonenjumpplus.com

 ウオオオーーーッ優勝!!ゴルバットみてえな八重歯のギャルが無敵状態で駆け抜ける最強のラブコメ、正反対な君と僕!!!こいつはすごいですよ、マジで。

 ギャルでパリピな鈴木さんはクラスの人気者だけど、人付き合いの良さからつい相手の顔色をうかがいがちで、本音を言うのをためらってしまう。一方クラスメイトの谷くんは物静かで目立たないけれど、思ったことははっきり言うし誰が相手でも対応を変えることがない。そんなクールなところに憧れと好意を抱いていた鈴木さんだったが、ある日下校時刻に谷くんとバッタリ遭遇して……というのが1話のあらすじ。これはネタバレなんですけれど二人はこの1話で付き合い始めます。ウオオオーーッ正反対な君と僕完!!とはもちろんならずに、物語はカップル成立後の二人と、その周辺のクラスメイトたちに焦点が向かいます。

1話にして人生最大の大立ち回りみてえな告白シーンが読める最高の漫画(シリアスとコミカルの配分が天才的すぎてマジですごい)

 話を振る間合い、手を握る間合い、キスをしてもいい間合い、相手の家に押し掛ける間合い……告白が成就したのはいいけど、付き合うって何?どういう関係?という思春期あるあるを真正面から描いていく。付き合い始めるのはゴールじゃない、むしろスタートだと言わんばかりに正反対な二人が少しずつ距離を縮めていく様子を見守っていくのがこの漫画の醍醐味。そしてそんな一組のカップルに触発されてソワソワしだす同級生ズがめちゃくちゃ青春〜〜〜!!なんですよね。読みましょう。

 

惰性67パーセント

tonarinoyj.jp

 これはラブコメ……うーんラブコメなのかな……。金はないが暇は腐るほど持て余して毎日のようにボロいアパートの一室にたむろしている美大生の男女4人、何も起こらないはずもなく……という、限界大学生の日常を描いた漫画(ポロリもあるよ!)。作者が成人向け漫画を描いている人なのでその手の描写力はお墨付きですが、この漫画のポイントはそこではなく、知識欲を満たすくらいしか役に立たない雑学知識、バカをやって痛い目を見る大学生、アダルトショップの戦利品、雑すぎる生活、深夜のラーメン、トーストで焼肉、闇鍋パーティ、廃墟AV撮影、刻一刻と迫ってくる課題、ポートフォリオの提出期限、そしていずれやってくるモラトリアムの終わり。ちょっとだけいい雰囲気になるけど、現状のぬるま湯のような温度が心地良すぎて進展しない男女関係が好きなら読みましょう。

この漫画は非モテトーク30%、人生に必要ない雑学30%、エロそうでエロくないエロ漫画展開30%、これはイケる……のか!?(イケるわけないだろ!)展開10%で構成されています

 

 

(終わりです)